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ブルージーンズ。

どうしようもなく退屈で、普段からろくに使ってすらいないテレビにまで手を出したのは、まもなく日が暮れようとしていたときだった。外では烏が騒ぎだし、わずかに聞こえていた秋の虫の声を覆い隠す。
風流もなにもあったもんじゃないと、またその烏の声を覆い隠すように、テレビをつけていたのだ。
しかし、つまらない。
この時間帯は単調なリズムで話し続けるようなニュース番組しか放送していなかった。どちらにせよ、退屈しのぎになる余地はなく。
地上波を諦め、衛星放送やケーブルテレビを漁り始める。知らないアニメが流れていたり、スポーツの試合が放送されていたりと多少の幅は出てきたものの、これももうひとつだった。
それでも幅が出てきていたことに期待を寄せつつ、一応すべてのチャンネルを回してみようと、リモコンのボタンを単調な作業のごとく、押し進めていく。
すると、あるところで手が止まった。
手を止めたところは、海外のテレビ番組を流用したものを流すチャンネルらしく、流れてくる言葉はもちろん英語だけ。
別段英語の知識があったわけじゃないし、言ってることが完璧に聞き取れたわけでもない。
ただ、つけた瞬間に聞こえてきた言葉が、ひどく印象的だったもので。

「これは、悪魔の裁判です――」

この言葉に魅了され、酔いしれるがごとく、テレビにかじりついている自分がいた。そうしているうちに、自分の記憶が、少しずつ思い出されていった。

そうだ、知ってるぞ、これ。

自分が物心ついてから間もない頃、ずいぶん前のことだっただろうか。
アメリカで強盗事件が発生した。銃を乱射し、大量の死傷者を出してしまったこの凄惨なニュースは、国内はおろか世界中に知れ渡った。
そしてこの事件の最重要参考人として連れてこられた男が今日、最高裁にて判決が下された。

無罪。

ある者は泣き崩れ、またある者は必死にブーイングを飛ばし続けていた。それでも、結果は、変わらない。
そんな中、壇上に立って「悪魔の裁判」だという声明を放ち続ける一人の女性。
被害者であろう青年の遺影を抱えながら、その母親らしき人物は、沸き上がる思いを押し殺しているかのように、丁寧に丁寧に文字を読み上げていく。
頬は痩せこけ、背中は曲がっていた。遺影に写っている若々しい青年と見ると、ずいぶんと奇妙な気持ちに襲われる。
片方の時間は完全に止まり、もう片方の時間はいまだ動き続けている。奇妙で、奇妙で、仕方なかった。
その女性が最後の一文を読み終えたとき、あれだけ飛んでいたブーイングはぴたりと止み、喝采が起き、割れんばかりの拍手が巻き起こった。
泣き崩れていた人も、このときだけは必死に両手を叩き続けていた。

「私達はこの結果を認めるわけにはいきません。ですが、それを認めさせようとして費やした時間は、あまりにも大きすぎました」

最後に、字幕でこのように書かれていた。
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ろんぐろんぐ。

思えば、いつもそうだ。やると言ってやらない、やらないと言ったらもっとやらない。どうしようもない。俺にだって夢はあった。叶えたい夢はあった。でも叶える気はなかった。叶えたいけど叶える気がない、言ってる意味がわからないだろう。でも、そういうことなんだ。華やかに活躍している人間を見て、一時的な憧れを抱く。何かを間違えていたら、自分もあの世界にいて、大活躍していたんじゃないかという、ありえもしない妄想を抱く。そして、何かを間違えようとする。その間違いは、どこをどう見てもまごうことなき間違いでしかないのだけれど。まだ、間違えているうちはよかった。次第に、間違えることすらやめ始めた。自分の考えに対し、回答すること自体を拒否し、放棄してしまっていた。それでも、やりたいことはないわけでは決してなかった。でも、目の前にちらつく努力の必要性や必ず現れるであろう苦悩によって形成されていく、華やかな世界にまでたどりつくための長い長い単調な道の前に、自分は歩くことすら放棄していた。ただ、立ち止まって、何かをするということもなく。ひたすら流れに身を任せているというか、何かを待っているというか。このままじっと待っていたら、いつか誰かが自分を迎えに来てくれて、華やかな世界に導いてくれるのではないか、とか、ありしないことを。そして誰も来ないまま、自分は朽ちていってしまうのだろう。でもまあそれはそれで、いいのかもしれないとか考える自分もどこかしらにはいた。あるときふと、自分のこれまでを振り返ってみたことがある。3分くらいすると反吐が出たので、もうやめた。あのとき以来振り返ってはいない。もういいんだ、ということ。このまま何も考えず、何にも相手にされないまま、消えてしまっていたほうが、断然幸せなんだと。そういう思いに駆られ始めてからは、悲観すらしなくなっていた。ああ、そういえば。これまでの人生を終わらせるにあたって、心残りがなかったかといえば、そうでもなかったりはする。今思えば、子供のときに最初に抱いた夢が1番現実的で、叶えられそうな夢だったような気がする。せめてそれくらいは叶えておきたかったかもしれない。幾百幾千と妄想とも言えるような夢を抱いてきた中で、ひとつくらいは、是が非でも叶えておきたかったかもしれない。自分のやることに、少しでも意味を持たせてみたかったから。どれかひとつでも叶えば、それはできると思ったから。それで、よかったんだ。意味さえあれば、よかったんだ。いつからだろう、いつから、そんなささやかな思いが自分で支えきれないほど、重く膨れ上がってしまったのだろう。すべての行動には意味が必ずあると、誰かが言っていたような気がする。本当にそうなのだろうか。だとしたら、自分の今までに、何らかの意味が存在していたとでも言うのか。意味は、そのときになくたっていいのかもしれない。あとで意味が生まれたとしても、いいのかもしれない。夢を叶えるまでの道は確かに単調だ。道を抜けきるまで、その行動に意味は生まれない。辿り着いて初めて意味が生まれる。それで、いいんだよ。だから。だから少し、歩いてみようかと思う。もし立ってたところに万が一迎えが来たとしたら、そのときは謝ろう。いいんだ、それで。一歩一歩、歩いていけば、近付ける。そう思って歩くだけで、今はいいんだ。ふっと、足が動く、ずいぶんと、足が軽い気がした。今なら、進める気がする。そう思って僕は先の見えないゴールを目指
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壬生沙樹

Author:壬生沙樹
通称みぶさき。
イラスト頑張るとか言っておきながら、滅多にイラスト上げないとかいううつけものです。

http://www.pixiv.net/member.php?id=877455
いちおーpixivやっとります。


現在は勉強の傍ら、イラスト、文芸に熱中。ただし、実力は伴っていませんとも。


一応某同人ゲームサークルの原画担当。
いつか派生して、個人企画でのコミケのサークル参加をひそかに画策中。
好きな言葉は初志貫徹。
嫌いな言葉は三日坊主。

相互リンク熱烈歓迎でス。


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